interview
後川・
輪の里の人々
後川の暮らしや農業のこと、そして輪の里の楽しみ方について、
住人の方々とオーナーにお話を伺いました。
岡田 常彦さん
何気ない里山の暮らしや、ゆっくり流れる時間を
味わってほしいですね。
輪の里にこられたら、まずは後川で採れたものを食べて欲しいですね。気温差が大きいとこだから野菜も美味しい。お米も間違いなく美味しい。あまり市場に出回らないし、採れた場所で食べるとより美味しいです。
自然も豊かだから、今では珍しくなったオオサンショウウオもカジカガエルもおるんです。地元の人に聞けば、どこそこの谷行ったらおるで!って教えてくれますよ。
あとは、都会とは違う時間の流れを感じてもらえたらと思います。何もないところで、ゆっくり流れる時間というか。
自分は後川が特別とは思っていないんです。ただ、後川には後川だけの雰囲気があります。それを味わってもらえたら嬉しいですね。
後川の昔ながらの家で
のんびりしてください。
輪の里の宿泊棟は、ここら辺に昔からある作りの古民家をリノベーションしています。田舎の普段の暮らしを感じてもらいたいから、水回りこそしっかり改修しましたが、それ以外は極力元の雰囲気を残しました。大げさにならないように、さりげなく、宿泊施設というより田舎の親戚の家みたいなね。
後川を訪れる人も、それを迎える後川の人にも、
発見や喜びがあればいいなと。
田舎では、古い家に価値があるとは思われてなかったんですよね。私もそう思ってた1人で。でも仕事で古民家をリノベーションしてホテルにするプロジェクトに携わりまして、そこで意識が変わりました。よそから来た人に、自分たちの持っているものの良さに気付かせてもらった感じですね。
それもあって、お客さんには後川の良さを感じてもらって、後川の方もお客さんからいい刺激をもらって、双方にとって嬉しい発見や喜びが生まれればいいなという思いもあるんです。輪の里での出会いが、お客さんにとっても後川のこれからにとってもプラスになるような。
何はともあれ、お客さんには「美味しい!」とか「楽しい!」とか、シンプルに喜んでもらえるのが1番だと思ってます。地元の方との会話も楽しんでほしいですね。ほんと、面白い人たちばっかりなんで。田舎のおじいちゃん、おばあちゃんの家に遊びに来る感覚で、気軽に遊びにきてくださいね。
石田隆司さん
後川に輪の里ができてどうですか?
たくさん人が来てくれるのは、そらやっぱり嬉しいわな。特に子ども連れの家族さん。賑やかになるしね。欲を言えば、後川の米を買ってくれたらもっと嬉しいわな(笑)。
今年の米はどうでしたか?
まずな、そもそもウチの田んぼは砂地で収量は少ないし粒も小さい。今年は420kgぐらい採れたけど後川でいうたらこれはグッドや。めっちゃええ方。篠山口では750kgくらいは採れるんちゃうかな。これ以上採ろうと思ったら肥料とかあげればええんやけど、そしたら味が悪くなるんやな。
そうなんですね!
こないだここ来てウチの稲見ていきはった人なんか、なんと細いんやってびっくりしてはったな。実際、丹波篠山の他のとこで作ってる人も同じ事いうてるわ。後川の米の味は全然違うて。わざわざここまで買いにくる人もいるぐらいやから。
味の違いはどこからくるんでしょう?
ここら辺は砂地やから水もすぐ流れるし、米にはストレスが凄いと思う。ただストレスを受けた米ほど美味しくなる、いうんはほんまやと思う。食べた人が「こんな米初めてや」って言うてくれるしな。あとはやっぱり水がええ。ここら辺の綺麗な川から水引いてるから、それもあるやろな。
後川のお米、もっと有名になってもいいと思いますけどね。
美味しいっていうのは分かってるんやけど、それ以上の事が出来ひんねん。ブランド化っていう発想がないねんな。こっちの人は美味いって事なんか子どもの時から知ってるんやけどな。
でも、もうワシが辞めてしもたらうちの田んぼ継ぐ人おらへん。継ぎたいいう人が来てくれたら、ワシが機械でもなんでも全部出したるわ(笑)。
小倉光さん
今年のお米はどうでしたか?
まぁまぁええ出来とちゃうかな。暑かったし日照時間もあったから、少し早めに収穫は出来たし。
農業を始めたきっかけはなんですか?
僕が農業を本格的にやり始めたのはここ3、4年。昔はサラリーマンしながら兼業農家をしていた感じやね。田んぼするのは当たり前やったし、やっぱり先祖から受け継いだ土地やからな。僕らが小さい時から親もおんなじ様にしてきたし、守らなと思ったな。
田んぼ自体はずっとやってきた事やったし、長男やから必然的に家に帰ってきて継いでいくもんやと思ってた。今は機械使うし、子どもが農業手伝うっていう事もなくなったけど。
子どもの頃から農業に関わってきたんですね。
僕らにとっては農業も土地も先祖から受け継がれてきた『DNA』みたいなもんやからな。
でも、息子には田んぼさせてなかった。それもあって担い手がおらんのよ。集落全体で守っていく形でもええと思ってるんやけどね。
輪の里のお客さんにはどんなところを見てほしいですか?
やっぱ畑とか田んぼとか山とか。あとは後川の夏祭りなんかいいと思う。稲刈り体験とか、畑とかもいいね。田んぼでいろんな体験して欲しい。やっぱり田舎の良さを分かってくれる人が来てくれると嬉しいかな。土地や文化を守って繋いで行くっていうのも人間の営みの中で大切な事の1つやと思うしな。